石窯
石窯との出会いは34才の時。愛知県のダーシェンカ店主小倉さんとの出会いからはじまりました。石窯と店舗を自作し、これからダーシェンカをはじめるということで、おおいに興味を持ち石窯を見に行きました。石窯を薪で温め予熱でパンが焼きあげる。自分はこういうところで仕事がしたいと感じました。出来上がったパンは合成物や添加剤をつかわず、国産小麦と天然酵母だけでおいしく出来上がっていました。小さい時、薪でお風呂をわかしていたころの事を思いだし、なんともいえないぬくもりを感じました。自分も実際に石窯を作ってみようと考え、本当にパンを焼きあげることが出来るのか確かめるため、小さな石窯を庭の一角に1年近くかけ作り、パンを焼きました。うまくいくことが確認できたので早速本窯の計画に入りました。ボアピエルの石窯はハンドメイドです。大谷石、耐火レンガ、赤レンガ、ブロック、砂を材料とし、それを薪で熱して予熱でパンを焼く。簡単ですがこれだけなのです。石窯に蓄えた熱を放射して焼く輻射熱を利用します。波長の長い輻射熱が、パン生地の芯から温め焼き上げることと、石窯を暖めたときの炎や色や薪のはじける音も一緒にパンの中に染みこんでさらにおいしさを醸し出しているのだと思います。