天然酵母
酵母菌は、北極、南極から熱帯地方まで地球上のあらゆるところに生存しています。その中からパンに向くものを選んで培養したものが「イースト」です。自家製の天然酵母をつくるときには、ドライフルーツや果物、穀類、野菜を用いますが、それらの食品にはもともと酵母が含まれているので、それを人の手で増やして、利用しているのです。ボアピエルでは、フルーツを利用して酵母づくりをしています。イーストとは、とても発酵力の強い酵母で、パン生地を仕込んで4時間で焼き上げることができます。イーストのパン作りには、小麦の蛋白質の含有量が12％以上が好ましく、国産小麦はそれを満たすものが少ないのです。パン作りは、小麦に含まれるグルテンと蛋白質の関係で成り立ち、グルテンは骨組み、蛋白質は補強材のような感じ、骨組みが多く補強材が多いものは、短時間に少し乱暴に組み立ててもよいのですが、国産小麦はグルテンと蛋白質が少ないので、骨組みが少なく補強材の少ないものは、こわれてしまいます。そこで、天然酵母はゆっくりと長い時間をかけて発酵を進めていくので、国産小麦との相性がよいのです。